ゼネコンとサブコンの違いについて? 徹底解説!

ゼネコンとサブコンの違いについて

建設業界において、ゼネコンとサブコンは重要な役割を担う存在ですが、その違いを正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。両者は建設プロジェクトに欠かせない存在であり、各々の特徴や業務内容を知ることは、業界の理解やキャリア選択にも役立ちます。本コラムでは、ゼネコンとサブコンの違いについて詳しく解説します。

ゼネコンとは?

ゼネコンとは「ゼネラル・コントラクター(General Contractor)」の略で、日本語では「総合建設業者」と呼ばれます。ゼネコンは建設プロジェクトの全体を統括・管理し、工事の計画、設計、施工管理、品質管理、安全管理など、プロジェクト全般の責任を負います。主に、ビルやマンション、公共施設、インフラなどの大規模な建設プロジェクトを請け負い、企画から完成までの全工程を管理します。

ゼネコンの主な業務内容
  • プロジェクト全体の管理・統括:プロジェクトの計画から完成まで、すべての工程を管理します。
  • 設計・施工の調整:設計事務所や専門業者(サブコン)と連携し、建物が設計通りに施工されるよう調整します。
  • コスト管理:予算内でプロジェクトを完了させるためのコスト管理を行います。発注者との交渉も含まれます。
  • 安全管理:現場の安全を確保し、労働者の安全対策を徹底します。
  • 品質管理:建物が設計図や法規に基づいて施工されているかをチェックし、品質を保証します。
代表的なゼネコン

日本には「スーパーゼネコン」と呼ばれる大手ゼネコンが存在し、代表的なものとして、鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店の5社が挙げられます。これらの企業は国内外で数多くの大規模プロジェクトを手掛けており、建設業界をリードする存在です。

サブコンとは?

サブコンとは「サブ・コントラクター(Subcontractor)」の略で、ゼネコンから依頼を受けて、特定の専門工事を担当する専門業者のことを指します。サブコンは、建設プロジェクトの一部である電気工事、空調工事、配管工事、内装工事など、特定の分野における施工を行います。

サブコンの主な業務内容
  • 専門分野の施工:サブコンは特定の工事に特化しており、ゼネコンの指示のもと、専門的な施工を行います。例えば、電気工事会社は電気設備の設置、空調工事会社は空調設備の設置などを担当します。
  • 技術的サポート:施工に必要な技術的アドバイスや提案をゼネコンに提供し、プロジェクトの効率化や品質向上に貢献します。
  • 現場管理:サブコンは自身の担当する工事の現場管理を行い、作業員の指導や安全対策の徹底、工程の進行を管理します。
代表的なサブコン

代表的なサブコンには、関電工(電気設備)、高砂熱学工業(空調設備)、大気社(空調・給排水設備)などがあります。これらの企業は特定の専門工事において国内トップクラスの技術と実績を誇り、大規模なプロジェクトでも重要な役割を果たしています。

ゼネコンとサブコンの主な違い

ゼネコンとサブコンの違いは、主に以下の点にあります。

業務範囲と責任の違い
  • ゼネコン:プロジェクト全体の管理・統括を行い、企画、設計、施工、管理のすべてを担当します。責任範囲が広く、プロジェクトの成功に対する責任を全面的に負います。
  • サブコン:ゼネコンから発注された特定の工事(電気、空調、配管など)を専門的に担当します。サブコンの責任範囲は自社が請け負う工事部分に限定されますが、その部分については高い専門性と責任が求められます。
プロジェクトにおける立場の違い
  • ゼネコン:発注者と直接契約を結び、プロジェクトの元請け業者としての立場にあります。プロジェクト全体の進行を管理するリーダー的な存在です。
  • サブコン:ゼネコンからの依頼を受けて、下請けとして専門工事を行います。プロジェクトの一部に特化した技術者集団として、施工のプロフェッショナルな役割を果たします。
必要なスキルの違い
  • ゼネコン:プロジェクトマネジメント能力、コスト管理能力、総合的な調整力が求められます。また、建築・土木の広範な知識とリーダーシップも重要です。
  • サブコン:専門工事に関する高い技術力と、現場での対応力が求められます。特定分野に特化した知識とスキルが強みとなります。

キャリアパスの違い

ゼネコンとサブコンでは、キャリアパスにも違いがあります。ゼネコンではプロジェクト全体を管理する経験を通じて、建設業界の幅広い知識とマネジメント能力を身につけることができます。将来的にはプロジェクトマネージャーや現場監督として活躍する道が開けます。

一方、サブコンでは特定の工事に関する高度な技術を習得できるため、スペシャリストとしてのキャリアを築くことが可能です。サブコンでの経験を積むことで、技術力を武器に独立開業や技術指導者としての道を選ぶこともできます。

ゼネコンとサブコンは、建設プロジェクトにおいて異なる役割と責任を持ちながら、共に建物の完成に向けて協力しています。ゼネコンはプロジェクト全体の管理と統括を行い、サブコンはその中で特定の専門工事を担当します。両者の役割を正しく理解することは、建設業界で働く上で重要です。それぞれに異なる強みとキャリアパスがあり、自身のスキルや興味に応じた選択が求められます。

ゼネコンとサブコンの違いを知ることで、建設業界の全体像がより明確に理解でき、キャリア選択にも大いに役立つでしょう。

この記事を書いた人

建キャリNEXT シニアアドバイザー
梶井 龍一郎


大学を卒業後、企画営業に従事、転職し20年以上人材業界に携わる。
現在は建設業界の技術者をメインとしたキャリアサポートと人材教育を10年以上行っており、累計6,000人以上の転職支援をサポートしている。
東京都出身、二児の父。

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