建築士ってどんな仕事?資格取得方法やキャリアパスをご紹介!

建築士になるためには?、勉強方法、キャリアパス

建築士は建物の設計や工事監理を行う専門職で、建設業界の中でも特に重要な役割を担います。建築士になるためには、資格取得が必要で、そのための勉強や経験が求められます。この記事では、建築士になるための流れ、効果的な勉強方法、そしてキャリアパスについて詳しく解説します。

建築士とは?

建築士は、建物の設計、構造計算、工事監理などを行う専門家で、法律で定められた資格を持つ人のみが「建築士」を名乗ることができます。建築士の資格は、主に「1級建築士」、「2級建築士」、そして「木造建築士」の3種類に分かれており、それぞれ扱える建築物の規模や内容が異なります。

  • 1級建築士:すべての建築物の設計・工事監理が可能。高層ビルや大型施設など、複雑で大規模な建物を扱うことができます。
  • 2級建築士:中小規模の建築物(主に戸建て住宅や小規模な店舗など)の設計・工事監理が可能。
  • 木造建築士:木造建築物に特化した資格で、小規模な木造住宅の設計・工事監理が可能です。

建築士になるためには?

建築士になるためには、まず必要な学歴と実務経験を積み、その後に国家試験に合格する必要があります。それぞれの資格に応じて、必要な条件が異なるため、以下にそれぞれの資格取得までの流れを説明します。

建築士の試験を受けるためには、学歴と実務経験の要件を満たす必要があります。以下は代表的な要件です。(※2024年8月時点での要件)

  • 1級建築士:大学や専門学校で建築系の学科を卒業後、2〜4年の実務経験が必要。建築以外の学科を卒業した場合や高校卒業の場合は、より長い実務経験(最大7年以上)が求められます。
  • 2級建築士:建築系の学科を卒業していれば実務経験が不要ですが、建築以外の学科を卒業した場合や高校卒業の場合は、最低3年以上の実務経験が必要です。
  • 木造建築士:2級建築士と同様、建築系の学科を卒業していれば実務経験が不要ですが、その他の場合は実務経験が必要です。

勉強方法

建築士試験の合格には、計画的な勉強が不可欠です。以下は、効率的な勉強方法のポイントです。

学科試験の勉強方法

  • 基礎から固める:建築士試験は幅広い知識が求められるため、まずは基本的な知識をしっかり理解することが大切です。建築計画、構造、施工、法規の各科目をバランスよく学習し、基礎を固めます。
  • 過去問の活用:過去問を繰り返し解くことで、出題傾向や頻出分野を把握し、自分の弱点を見つけることができます。過去問を解いた後は、必ず解説を確認し、不明点をクリアにしていきましょう。
  • テキストと問題集の使い分け:市販のテキストや問題集を活用して、学習の進捗を管理します。テキストで理解を深め、問題集で実践力を高めることがポイントです。
  • 勉強時間の確保:建築士試験は難易度が高いため、毎日の学習時間をしっかり確保することが重要です。1日1〜2時間を目安に、継続的な学習を心がけましょう。

製図試験の勉強方法

  • 製図の基礎練習:製図試験では設計図の正確さとスピードが求められます。製図の基本操作を繰り返し練習し、定規やコンパスを正確に使う技術を身につけましょう。
  • 課題の演習:過去の製図課題を繰り返し練習し、様々な設計条件に対応できるようにします。特に時間内に図面を完成させる練習が重要です。
  • 実際の試験環境を意識:本番と同じ時間配分で練習することで、時間内に図面を描き切る力を養います。また、試験環境に慣れるため、試験と同じ机や製図用具を使って練習すると良いでしょう。
  • 添削指導の活用:専門の添削指導を受けることで、プロからのフィードバックをもらい、改善点を把握していくことが効果的です。

建築士のキャリアパス

建築士の資格を取得すると、様々なキャリアパスが広がります。以下は、建築士としての代表的なキャリアパスです。

設計事務所での勤務

建築士の多くは、設計事務所での勤務からキャリアをスタートします。設計事務所では、建築物の設計や工事監理を担当し、設計者としてのスキルを磨くことができます。特に1級建築士の場合は、ビルやマンションなど大規模プロジェクトに関わることが多く、デザインや機能性を重視した建築物を手掛けることが可能です。

ゼネコンや工務店での勤務

ゼネコン(総合建設業者)や工務店では、設計だけでなく、施工管理や現場監督として働くことも多いです。建築士としての知識を活かし、現場での判断力や調整力を発揮することが求められます。これにより、建築全般の知識が深まり、総合的なスキルが身につきます。

・独立・開業

一定の経験を積んだ後、設計事務所を開業する建築士も多いです。独立することで、自分のデザイン哲学やコンセプトを自由に反映した建築物を手掛けることができます。独立には経営や顧客対応など新たなスキルも求められますが、自由度が高く、やりがいのあるキャリアとなります。

・公共事業への従事

地方自治体や国の機関に勤務し、公共施設やインフラの設計・監理に携わることも可能です。公共事業では、大規模なプロジェクトや地域のランドマークとなる建物を手掛ける機会も多く、社会的な貢献度が高い仕事となります。

・教育・研究機関での活躍

大学や専門学校の講師として、次世代の建築士を育てる教育に従事する道もあります。また、建築に関する研究を行い、新しい建築技術やデザインの開発に取り組むこともできます。教育・研究機関での仕事は、建築の理論や技術を深める機会となり、専門性を高めることができます。

建築士になるためには、学歴や実務経験を積み重ね、厳しい国家試験に合格する必要があります。その過程では、計画的な勉強と現場での経験が不可欠です。しかし、一度資格を取得すれば、設計事務所、ゼネコン、独立開業、公共事業など多岐にわたるキャリアパスが広がります。

建築士としての仕事は、建物を通じて社会に貢献し、人々の生活を豊かにするやりがいのある職業です。将来的には、自身のデザインや技術を世に広め、社会に大きな影響を与えることも可能です。ぜひ、建築士としての道を進み、その先に広がる可能性を追求してみてください。

この記事を書いた人

建キャリNEXT シニアアドバイザー
梶井 龍一郎


大学を卒業後、企画営業に従事、転職し20年以上人材業界に携わる。
現在は建設業界の技術者をメインとしたキャリアサポートと人材教育を10年以上行っており、累計6,000人以上の転職支援をサポートしている。
東京都出身、二児の父。

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