建築施工管理技士とは?資格難易度や平均年収についても解説!

建築施工管理技士とは?資格難易度や平均年収についても解説!

建設業界において重要な役割を果たす「建築施工管理技士」。この資格は、建築工事の品質、工程、安全性、そしてコストを管理する専門家として認められるものです。本コラムでは、建築施工管理技士の仕事内容、資格の種類、難易度、そして気になる年収について詳しく解説していきます。

1. 建築施工管理技士の仕事内容

建築施工管理技士は、建築現場のリーダーとして以下のような業務を担当します:

  1. 工程管理:工事全体のスケジュール管理と進捗状況の把握
  2. 品質管理:建築物の品質を確保するための監督と指導
  3. 原価管理:予算内での工事完了を目指すコスト管理
  4. 安全管理:作業員の安全確保と事故防止
  5. 関係者との調整:発注者、設計者、協力会社との連絡調整

これらの業務を通じて、建築プロジェクトを円滑に進行させ、高品質な建築物を完成させることが建築施工管理技士の使命です。

2. 建築施工管理技士の階級

建築施工管理技士の資格は、経験年数や難易度によって1級と2級に分かれています。

1級建築施工管理技士
  • 対象:より高度な管理能力が求められる大規模工事や複雑な工事を担当
  • 受験資格:学歴に応じて3〜10年の実務経験が必要
2級建築施工管理技士
  • 対象:中小規模の工事や1級の補助的な役割を担当
  • 受験資格:学歴に応じて1〜3年の実務経験が必要

3.資格取得の難易度

1級建築施工管理技士の合格率

1級建築施工管理技士の合格率は、例年10%前後と非常に低くなっています。

令和5年度(2023年度)の1級建築施工管理技士試験の合格率は下記の通りです。

  • 第一次検定(旧学科試験)の合格率:41.6%
  • 第二次検定(旧実地試験)の合格率:45.5%

参考:総合資格学院「1級建築施工管理技術検定の合格率について」より抜粋
https://www.kensetsu-kikin.or.jp/html/examination/installation_management/r5_1_results.html

2級建築施工管理技士の合格率

2級建築施工管理技士の合格率は1級と比べると高くなりますが、それでも決して容易ではありません。

令和4年度(2022年度)の2級建築施工管理技士試験の合格率

  • 第一次検定(旧学科試験)の合格率:42.3%
  • 第二次検定(旧実地試験)の合格率:53.1%

参考:総合資格学院「2級建築施工管理技術検定の合格率について」より抜粋

https://www.kensetsu-kikin.or.jp/html/examination/installation_management/r5_2_results.html

4. 建築施工管理技士の平均年収

建築施工管理技士の年収は、経験年数、勤務地域、企業規模などによって大きく異なりますが、一般的に安定した収入を得られる職種として知られています。

1級建築施工管理技士の平均年収

1級建築施工管理技士の平均年収は、おおよそ500万円〜800万円程度と言われています。ただし、大手ゼネコンや経験豊富な技術者の場合、1000万円を超えることも珍しくありません。

2級建築施工管理技士の平均年収

2級建築施工管理技士の平均年収は、1級よりも低くなりますが、それでも一般的な会社員の平均を上回ることが多いです。おおよそ400万円〜600万円程度と言われています。

参照:厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET)
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/21

5. 建築施工管理技士資格取得のメリット

1.キャリアアップの可能性:上位の管理職へのステップアップが期待できる
2.年収アップ:資格取得により、給与や待遇の改善が見込める
3.転職の際の強み:建設業界で高く評価される資格であり、転職時にかなり有利に働きます。
4.専門性の証明:自身の技術力と管理能力を客観的に示すことができる
5.法的な必要性:一定規模以上の工事では、有資格者の配置が法律で義務付けられている

6.高い責任感と求められる多岐にわたるスキル

施工管理者には、高い責任感と多岐にわたるスキルが求められます。施工計画の立案、現場での監督、安全管理、コスト管理など、多くの役割を同時にこなさなければなりません。さらに、技術的な知識だけでなく、コミュニケーション能力やマネジメントスキルも必要とされるため、幅広い能力が求められる職種です。

求められるスキル

コミュニケーションスキル:現場の職人や発注者との円滑なコミュニケーションが、プロジェクト成功のカギとなります。

技術知識:建築、土木、設備などの専門知識が必要です。

マネジメント能力:工程管理や人員管理、資材管理など、多岐にわたる管理業務をこなす能力が求められます。

建築施工管理技士は、建設業界において重要な役割を果たす資格です。取得は決して容易ではありませんが、キャリアアップや収入面でのメリットは大きいと言えるでしょう。建設業界でのキャリアを考えている方や、すでに業界で働いている方にとって、挑戦する価値のある資格と言えます。

この記事を書いた人

建キャリNEXT シニアアドバイザー
梶井 龍一郎


大学を卒業後、企画営業に従事、転職し20年以上人材業界に携わる。
現在は建設業界の技術者をメインとしたキャリアサポートと人材教育を10年以上行っており、累計6,000人以上の転職支援をサポートしている。
東京都出身、二児の父。

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